エッセイ童話

みくちゃん

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くりおねから一言メモ✒

 こちらのお話は「恐怖の夜」の次に書いた作品となります。
天国に行ってしまったメープル君。七十七日までの道のり、生まれ変わりまでをマミちゃんは調べて、7日おきに見守っていました。六十七日目は”みくちゃん” 弥勒菩薩とのことでした。我が家は無宗教ですが、困った時の神頼みということで・・・。



私は弥勒菩薩でございます。

ママの仏像ブームの時に縁あって我が家にやってきました。

あら、この子はあの時のメープル君。








みくちゃん、こんにちは。

あの時はありがとうございました。

僕、本当に怖かったけど、みくちゃんが追い払ってくれてよかった。



メープル君怖かったでしょ。あんなに大きいワンちゃんがいっぱい来たら。

ただ、あのワンちゃん達もお仕事で。

あの時はまだ早かったので私はみんなに早く帰って来なさいと言ったんだけど、

メープル君があまりにもかわいくて、

じっと見ちゃったのね。

許してあげて。

メープル君、私はママにはお世話になったの。

私の足が負傷してたんだけど、元どおり治してくれたの。

よかったわ!

だって、カッコ悪いでしょう。



僕知ってるよ、ママがいろんなもの持って来て、

みくちゃんの足を治しているのを見てたから。

ママすごいね、自分でも驚いていたよ。



そして私はちょっと、

髪形を見ればわかると思うけど、おしゃれだから、

ママから素敵なネックレスをもらったの。

足が治ったおかげで、

みんなが見ていないところで運動も出来るし。

ずーっとあの格好では体に悪いから。



そうだね。



メープル君は沢山の裁判をしてきたけど、

67日だから今度は私が裁判長で、

場所の決定をします、そして生まれ変わる条件が決められます。

77日は薬師如来により最終裁判が下されるということね。

今度生まれ変わるときは、

メープル君は女の子と男の子どちらがいのかな。

楽しみ。

どちらにしても、安心してね。

メープル君達は人間と違って、

罪というか悪いことをしていないから。

初めから天使だものね。

悪い生き物にはならないと思う。



みくちゃん、僕罪を犯したよ。

お部屋で“シャーシャー”、

“ポトン”。



大丈夫、人間はもっともっと重い罪をたくさん犯しているの。

人間は“お話”が出来るでしょう。

だから噓をついたり、まあいろいろね・・・ 



そうか、よかった!



あなた達のかわいらしさは、

何にも誰にも変えられない。

最後の裁判が終わったら、

手足を伸ばして、

ゆっくりと旅の疲れを取ってね。

私はこれからも、

あなた達と一緒にお家の人達の幸せを見守ることにしましょう。