エッセイ童話

「小さなお母さん “マミー”」

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我が家の塀の上に、3匹の子猫ちゃんが。

しかし、よく見ると先頭の猫ちゃんは体は小さいが何か貫禄を感じる。

様子を見ているとお母さんの様だ。

お母さんは何か2匹の子猫ちゃんに色々と注意しながらお話をしている。

お母さんは子猫ちゃん達の様子を見ている私たち家族を、心配そうにじっと見ている。

大丈夫だよと声をかけると安心したのか、またみんなで塀の上を歩きだした。

かわいい。その日はそのまま帰っていった。

 2、3日後、子猫ちゃん達だけで我が家に遊びに来た時のこと。

1匹は自転車の買い物かごが好きなようでそこに入り、周りの様子を見ている。

もう1匹の子猫ちゃんもかごの中に入りたそう。

小さな声で「ニャー」、2匹入れるかと見守っているとき、雨が降ってきた。

子猫ちゃんたちは早々に帰宅。

猫ちゃんが帰った後、自転車のカバーの下に猫ちゃん達が入れるように空間を作った。

いつでも来れるようにと!

なんだか、子猫ちゃん達が来るのが楽しみになってきた。

 久しぶりに子猫ちゃん達がやって来た。

大好きなかごの中かと思っていると、

お母さん猫ちゃんがニャーニャーと声を出しながら我が家に入ってきて、その光景はびっくり。

お母さんは下から塀の上にいる子猫たちに今度は、

「ニャーニャー」ではなく、

お話をしているように「ニャンニャンニャン、ゴぅゴぅ」と、

しかりつけている口調で話をしている。

子猫ちゃん達はお母さんの話をジッと聞いて、暫くお小言が続き、

その後お母さんを先頭に帰っていった。

その後、子猫ちゃん達の姿は見ることがなく・・・。

 数か月後、我が家の前にお母さん猫ちゃんが、その後ろから子猫ちゃんが4ひき。

なんともかわいい。

それを見た男の人が写真を撮り、

子猫がばらばらと歩いているので男の人は心配そうに子猫の行く末をしばらく追っていた。

お母さんはあの小さな体でまた出産したのかと思うと、心配・・・。

痩せているし、食べ物はあるのか・・・。どこで暮らしているのか・・・。

答えは、すぐにわかった。

我が家の斜前の空き家だった。

猫ちゃん家族はお城を見つけたのだ。

雨、風は凌げる。

ちょっと安心。

しかし、心配はまだあり。

それは隣のおばあちゃんがお掃除をしている時のこと、

お母さん猫ちゃんをほうきで追い払っているのを見てしまった。

お母さんはどうするのかなぁ。

ところが、そんな心配も他所に、

今回は対応が違った。

ある日のこと、

おばあちゃんの家と空き家の塀の上でお母さんがのんびりしていると、

おばあちゃんが家から出て来て、

目が合い、お母さんはびっくりして体が引けて警戒態勢。

すると、おばあちゃんは近づいて何もしない。

声もかけない。

お母さんは拍子抜け。

でも、安心した様子。

それを機に、

なんとご飯を持って来てくれる。

すごいすごい。

「ほら食べな」と言いお皿に乗せて。

良かった。

お母さんはこれで家族がお城に住むことを許してもらえたとホットしたに違いない。

 ところで、ごはんをくれる優しいおばあちゃんだが、

ご飯をカラスが食べていること。

他の猫ちゃんがご飯を食べていること。

知っているのかな・・・。

そんな状況でお母さんはしっかり食べられているのか。

少し心配。

 この間お母さんが留守の時、

他の猫ちゃんがやって来た。

塀の上でのんびりと昼寝をしていると、

そこへお母さんが返ってきて、それは大変。

大喧嘩となってしまうのかじっと見ていると、

大きな声で喧嘩が始まった。

お母さんは、

猫ちゃんというよりも若い女性のような声で「ワぁー」と叫ぶ感じで相手の猫ちゃんに話している。

怒られた猫ちゃんは、仕方なく帰っていった。

その後ろ姿がなんとも情けなく見え、子猫のお父さんかもと。

それにしても、お母さんは強い。

小さな体で子育てもしっかりと、毅然としている。

頭もよく、

だから“ママ”ではなく、

毅然とした強いお母さんがピッタリだと思い、“お母さん“と呼んだ。

そんなお母さんが、子猫のような声で鳴くことがある。

最近はおばあちゃんが玄関から出てくると、

おばあちゃんの足元で子猫のように甘えた声で小さく

「にゃーにゃー」と。

そんな時おばあちゃんは、

「今日は無いよ!」とそっけなく、玄関を閉めてしまった。

私達はそれを見て、そっけないな・・・。

お母さんは子育てでおなかが空いていると思う。

まさか、おばあちゃんにその話をすることも出来ないし、

ご飯を上げてほしいなあ。

おばあちゃんにお話ししにくいのは、

おそらくご飯は内緒でこっそりあげていると思う。

それに、ちょっとそっけないおばあちゃん、

話はしにくいから。

しかし、こんなことも。

ご飯を用意して「さあ食べな!」

そして、付きっ切りでお皿に入ったご飯を手でかき回しながら、

何かお話しながら食べさせている。

すごいすごい。

やった!

でも、それは一度。

ご飯は、出たり出なかったり。

そんな感じで、

ヤキモキして見ている。

いっそ我が家でご飯を用意してはと思ったが、

せっかくおばあちゃんがあげているので・・・。

またこんな日も。

家の前の道端でおばあちゃんとばったり。

お母さんはおばあちゃんと顔が合うが声も出さずにジーっと。

家に入っていくおばあちゃんの様子を見ながら後をついていき、

玄関前へ。

一言も声をかけないおばあちゃんに、

声をかけてと言いたげにおばあちゃんの顔をジッと見ている。

おばあちゃんは無言で家の中へ。

なんでなんでと言いたくなる。

お母さんはしばらく玄関前にいたが、

去っていった。

おばあちゃん、

お母さんがかわいそうだよ。

数年前、猫ちゃんが大好きで家猫ちゃんもいるが、

野良ちゃんの面倒も見ている人がいた。

その人が引っ越すことになり、

どうにか野良ちゃんも一緒にと何回か家猫ちゃんに出来ないか挑戦したが、

駄目だったそうだ。

そこで、その人は毎日ご飯の時間に野良ちゃんにご飯を運んだという。

話では、

一度ごはんをあげるといつまでも待っているので責任があるからね~と・・・。

私には出来ない。

しばらくぶりに買い物で彼女とお話しして、

感心した。

猫ちゃんが大好きなんだなと改めて思った。

自分の行動に対しての責任をこんなにも感じるものかと。

そんな話を思い出すと、

家の前の光景はとても不快でたまらない。

何か良い方法はないものなのか、

何か出来ることはないかと・・・。

すると、娘が「保護」という案はどうかしらということで、

いろいろと調べてくれた。

TNR活動をしている保護団体があり、

避妊手術をしてくれるそうだ。

TNRなので、手術後に元の場所へ戻すらしい。

ただ、今回は子猫ちゃんが4匹いるので、

その子猫ちゃんはまだ小さく手術は出来ず里親さんへ、

となるらしい。

どちらが猫ちゃんの為になるのか。

お母さんから子猫を離す権利が人間にあるのか、

色々と考え話し合ってみた。

その結果、

あの小さな体のお母さんが何度もの出産は体に負担なはず、

手術をしてあげたほうがお母さんにとって良いのではないかと結論が出た。

子猫ちゃん達も成長を待ち手術というより、

里親さんに育てて頂いた方が幸せに暮らせるだろうということで。

お母さん、寂しくなっちゃうけどごめんね。

地域のTNRをしている市からも認定をされている団体に電話をした。

まず、お母さんを保護。

とても手際が良いので驚いた。

お母さんは出産で本当にお腹が空いていたのか、

すぐに保護された。

次に1匹の子猫。

団体の方が帰られた後だったので、

数時間我が家の部屋に入れておいた。

1、2時間経過後、そっと覗くとなんともかわいい。

1匹で心細そう・・・。

かわいそう、ご飯は食べてくれない。

保護出来たことを団体に電話すると、

夕方、団体の方が戻ってきてくださり、

連れていった。

幸せになってね。

そして、また新しい保護かごを置いていった。

 しばらくすると、残った3匹がおなかが空いたのか、

かごのごはんの側に。

そして、3匹一緒にかごの中へ・・・。

良かった。

3匹を連れて我が家へ。

3匹でくっついて、ちょっと心強いかな。

ご飯を入れたら食べて元気な様子。

娘はあまりの可愛さに、

かわいいかわいいとしきりに言っていた。

 団体の方が翌日みえて、子猫たちを連れて行った。

数時間預かっただけなのに、とても寂しい。

しかし、里親さんにいっぱいかわいがってもらって、

大きくなることがあの子たちのしあわせ。

里親さんになれる基準がとても厳しいらしい。

きっと、幸せになれるね!

 お母さん猫ちゃんは無事手術が終わり、

知らない間に団体の方が戻したらしい。

私は電話をしてその事を知った。

しかし、我が家なりに戻ったお母さんをどう見守るかいろいろと考えていたから、

ちょっと残念であった。

ネットの情報によるとその団体は市と一緒に行動している。

手術代は市の方で“チケット”という形で渡されるそうなので、

保護された猫ちゃん達のごはんを買って下さいとお話して、

気持ちだけお渡しした。

 今回はちょっとしたおばあちゃんと、猫ちゃんのやりとりを見て保護をお願いしたが、

結果的には良かったのではないかと思う。

団体の方はその日の寄付のお礼と、

それで買った猫ちゃん達のごはんやその他の写真をネットにあげてくださった。

猫ちゃん達の命を守るため何度も足を運んでくださったことに、

感謝と共に頭が下がる思いだった。

 お母さん猫ちゃんはその後3、4日、

夜と朝方に「ニャーニャー」と激しく泣いて。

子供を探していたのでしょう。

ごめんね。

これから我が家に出来る事はと考えて、

出来る限りごはんをあげること、

同じ場所でごはんをあげること、いろいろと考え。

戻った当日、その日の夕方は定位置に居たので、

側まで行きごはんと水を置き、全部食べてくれた・・・。

これで安心。

その後居なくなるその日まで、

3、4日、日に2回我が家にご飯を食べに来てくれて間食した。

最初の1日目は離れたところからこちらを見ていたので、

「おいで、おいで、おいで」と手を振るとやってきて。その次の日、ガラスの戸の外でやさしく「にゃー」、こちらをみて来てくれた!その次の日は、ガラス戸の外

で静かに待ってくつろいでいた。

3日目部屋に入ってみようかと恐る恐る、

子猫ちゃんの匂いがするのか(預かった時にその場所に)家の中に少し入ってみて、

こちらを見て。

とてもかわいい。

4日目、ここからはお母さんを“マミー”と呼ぶようにした。

我が家の前は自動車の通りは少ないが、

臆病で物音がするといきなり道へ飛び出るので、

事故のことを考え外階段に簡単な柵でもしたら、

戸に網戸はどうなのかといろいろ考えてみた。

完全に我が家の子として迎えられれば良いのだが、

我が家のプードルちゃんが今年亡くなって、

悲しみが癒えておらず、

もうこんな思いは二度と嫌・・・。

ということで・・・・、家に迎えることは出来ない。

しかし、手術もしたのでごはんは堂々とあげられる。

外猫ちゃんでもごはんの面倒は見てあげられる。

様子も見てあげられる。

ところが、ところが・・・姿がみえないのです。

我が家にごはんも食べに来ない、

声も聞こえない。

最後に見たのは子猫のお父さんらしき猫さんと、

どなり合って、いや、

話し合っているので、

手を振ったら伏せをして、

こちらをジッと見ていた。

あれがお別れだったのか。

事故のことを考え、

柵のことなどいろいろと考えたことを、

マミーは読み取って嫌だったのか、

来なくなってしまったマミー。

ちょっとしたおばあちゃんとのやり取りを見たのが始まりだった・・・。

手術、子猫ちゃんとの別れ、

耳のハート、

人間のエゴではなかったのか、

考えてしまうことも。

ただ保護された時、

みんなとても痩せて、

子猫ちゃん達はこのままでは長くもたないと保護団体の方がお話していた。

そして何よりも、

手術後、我が家にご飯を食べに来てくれたことがマミーの答えだと、

間違いではなかったと自分では思いたい。

今回のことで、個人で決断、行動は、

精神的に何か残ってしまう・・・ようにも感じる。

家の周りはマミーの声も聞こえない。そんな静けさは望んではいなかったのに!

ごはん、いつでも用意してあるよ。

またおいで~。

マミーの姿が見えなくなってから二か月が過ぎたある日、

マミーの姿が・・・。

「ママ、マミーが居る、戻って来た」と娘。

私はあわてて外を見ると、

元気そうなマミー。ほっとした。

元気だった。

本当に良かったと。

マミーは、元のマミーのお城の塀の上で、

なぜかこちらを見ない。

お尻を向けて座っている。

こちらを意識的に見ない様にも見える・・・。

どうしてか・・・。

長い旅に黙って出てしまったからか?

しばらくすると、塀から降りてきて目の前の道路に。

いつもの様においでおいでと手招きすると、

こちらへ来た。

さっそくご飯を。

「どこへ行っていたの、心配したんだよ」と。

マミーは「ニャーン」。

またマミーの食堂の開店です。

 日に二回やって来る。

朝は7時台に来たが、そんなに早くはマミー、

勘弁してくださいと、8時30分開店とした。

早く来た時は外の階段でゆったりと待ち、

窓を開けると小さな声で“やっと開店ですかと、

”ニャー”。

いまではその階段を上がった1メートル四方の空間がマミーの食事の場所。

マミーは食事中でも周りが相変わらず気になる様子。

ホームセンターで板を購入して四方に周りを囲む。

マミーにとって嬉しいのかわからないが、

これで少し落ち着いて食事が出来るはず。

外猫ちゃんとの距離感を考えると、

あまり近づきすぎるとお互いに淋しくなるので・・・。

これまでは食器を家の中へ置き、頭が部屋に入る感じで、私

たちはマミーのかわいい食事風景を見ながら話しかけていたが、

今ではガラス戸を閉めてマミーの姿を見る形に変更した。

ある日久しぶりに外でマミーの怒っている声がした。

どうしたんだろう・・・。

数時間すると黒猫ちゃんが誰かを探している様子で、

キョロキョロキョロと道の真ん中に。

ああ、黒猫ちゃんはマミーの恋人かもと・・・。

だいぶ前にお城の塀の上で、

マミーと黒猫ちゃんが顔を合わせて猫キッスをしていた。

その時は珍しいなと思っていただけだったが・・・。

先日怒っていたのは、

きっとこれから食事の時間なのに黒猫ちゃんがついて来て、

“ついてこないで!”と怒ったのかも。

そして、それを確実とする出来事が。

マミーが食事をしている時、

ソロソロと黒猫ちゃんが30cmと離れていないところまで階段を登って来た。

そして、2つ並ぶ食器の水の法へ手を伸ばし、

顔を近づけると、マミーが怒って「ウウー」とちょっと抑えめに・・・。

黒猫ちゃんは無言で固まっている。

そのうちマミーの声が大きくなってきた。

私はガラス戸を少し開けて「喧嘩しないの」と言い、

”マミー怒らないの”というと、

マミーは先に薄い壁塀を乗り越えてその場を去っていった。

そして、黒猫も食器の中の食べ物をそのままに残したままにして去っていった。

マミーは怒ってはいたが手加減している。

きっと仲良しだと思う。

マミーは本当に怒ると強くて、

ものすごい声を出すのを知っているから。

 翌日、いつもの様にマミーが食事に来た。黒猫ちゃんは家の前を通ったが素通りしていった。

マミーは黒猫ちゃんと話し合ったに違いない。

マミー「あのお家はだめ。私専用だから。私のお家。」

黒猫「僕だって一緒に食べたいなあ。」

マミー「だめよ。絶対にだめ!私にとっても優しくしてくれるの。

大切にしたいの、だめ!お城の塀の上はいいわよ!たまに何かあるから・・・。」

黒猫「わかった。マミー怖いし、大好きだから仕方ない。」

マミー「おなかが空いて死にそうになったら考えてあげる。」

・・・というお話しで、黒猫ちゃんはマミーの食堂を素通りして前のお城の塀の上へ・・・。

運が良ければ何かある、という訳です。

この出来事からもマミーは強く、

頭も良いといと思う。

黒猫ちゃんはマミーよりはるかに大きく、

最初見た時にカッコ良い黒ヒョウちゃんみたいだと思ったくらい。

あんなに大きくて強そうな猫ちゃんがいるのに、

外暮らしは大丈夫なのかとも心配したくらいだ。

ところが、まあ安心。

小さい体だけど体力をつければ、

外で暮らしているのも楽しいのではと今では思うくらいだ。

 2日続いた雨も上がり、マミーは午前の食事にやって来た。

雨の日はどこで寝て居るのか、

前のお城で寝て居るのかな。

それとも、マミーのことだから、

もっと寝心地の良いところを探したのかもね!

ねえ、マミー今日はちょっとお話しようよ。

ママ「壁を作ったのはどう?」

マミー「そうね、どうかな。姿を見られず食べられるのはいいけど。」

ママ「ちょっと隙間があるから、細工してみたの。良くないかしら。」

マミー「何かあった時、スッと出られないと困るニャン」

ママ「何があるの?」

マミー「外猫の私たちはいつも警戒態勢で居ないと危険が・・・」

ママ「だから壁を作ったのよ。そういえば、この間びっくりしたわよ!

あの薄い板塀を乗り越えて出ていったから・・・」

マミー「あんなの軽い軽い。私たちの身の軽さはすごいのよ!」

ママ「そうか。そうすると、出入り口はあまり細工しない方がいいわね!」

マミー「そうかもニャン。いいこともあるけど。」

ママ「ところで、家猫ちゃんになることは外猫ちゃんにとって幸せなの?」

マミー「一概には言えないけど、その猫ちゃんの状況とお家の人との相性かニャン。

外で楽しく暮らしている子もたくさんいるし、食べ物が無くて体が弱ってしまう子もいるから。

でも、人間が考えているより幸せということもある・・・。分からないニャン。」

ママ「マミーはどう?」

マミー「私分からない。今のところ、楽しいから。」

ママ「そうね。子猫ちゃんのお父さんも黒猫ちゃんもいるしね。マミー、体調はどう?」

マミー「元気だよ!」

ママ「お風呂に入れてあげたいよね・・・」

マミー「ええ~結構です。私たちお水大嫌い!」

ママ「そう。偶に気持ちよさそうにお風呂に入っている猫ちゃんの動画テレビで見るけど。」

マミー「ええ~それはきっと小さい時からお風呂に入ってご褒美たくさんもらっていたのかも。

もしかしたら、マタタビ風呂かも?」

ママ「マタタビ風呂ね!」
マミー「うそよ、うそ、うそ。本当に用意されたらたまりませんニャン。」

ママ「大丈夫、しないわよ!でも、健康診断はどう?

想像してみたんだけど、とってもかわいい。外猫ちゃんが並んで、順番を待って診察。

そして先生がみんなに、”バランスの良い食事をしなさい”とか、”寝るときは草はなるべく避けるように。小さい虫がかじりついてくるので気を付けましょう”とか。」

マミー「そうなんです。背中にかじりつかれると痒くてたまらないんです。」

先生「そのようなときは仲良しに掻いてもらいましょう。」

マミー「分かりました。」

先生「なかなかお風呂は難しいので、夏になったら思いっきり雨にあたってシャワーを浴びましょう。引っ付いた虫、ごみを流してきれいな体に。そんな猫ちゃんはお風呂に一歩前進できると思います。そして徐々に・・・お風呂気持ちいいなぁ~と。」

みんな「なるほどね。」

今は外猫ちゃんが楽しいマミー。

車に気を付けて元気に遊んで、また食堂にいらっしゃい。

現在、マミーは毎日2回食事にやって来る。

そして、食事の時間以外でも私たちの姿を見ると遊びに来ることも偶にある。

その時、猫じゃらしで少しだけ遊んで帰っていく。

黒ヒョウちゃんは、マミーの子供かもという近所の人の話もある。

おわり

2/679 (絵本)

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